鳥打帽とりうち)” の例文
苦い顔をして階段はしごあがつて、懐手をした儘耳をそばだてて見たが、森閑として居る。右の手を出して、垢着いた毛糸の首巻と毛羅紗けラシヤ鳥打帽とりうちを打釘に懸けて、其手でドアを開けて急がしく編輯局を見廻した。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)