鰥暮やもめぐ)” の例文
なにひとつ世帯しょたい道具らしいものもなくて、まるであばら家のようななかに、父はしょんぼりと鰥暮やもめぐらしをしていたのだった。
花を持てる女 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
……そう、よっぽどそう云った方がこの谷には似合いそうだな、少くともこんな冬のさなか、こういうところで寂しい鰥暮やもめぐらしをしようとしているおれにとっては。
風立ちぬ (新字新仮名) / 堀辰雄(著)