さわ)” の例文
江戸末期の世はだんだんにさわがしくなって、異国の黒船とひと合戦あろうも知れないという、気味の悪いうわさの伝えられる時節である。
その火焔山は昔孫悟空が天宮をさわがした時、老君の丹炉たんろ踏倒ふみたおし、それが地に降って出来たものである。それはなかなか活火山などという生易なまやさしいものではないらしい。
『西遊記』の夢 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
三田の薩摩屋敷には大勢の浪人が潜伏していて、とかくに市中をさわがすので、とうとう市中取締りの酒井侯の討手がむかって、薩摩屋敷砲撃と相成ったのは、どなたも御存じのことでしょう。