鬣狗ハイエナ)” の例文
実は支倉君、この葬龕カタファルコは並大抵のものではないのだ。ボズラ(死海の南方)の荒野にあって、昼は鬣狗ハイエナが守護し、夜になると、魔神降下を
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
……この辺の住人ときたら、まるで鬣狗ハイエナのような貪婪どんらんなやつばかりですから、そんなことをしていたら、それこそ骨までしゃぶられてしまいます。
犂氏の友情 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
がま蟋蟀こおろぎが鳴くもの憂いなかで、ときどき鬣狗ハイエナがとおい森でえている。その、森閑の夜がこの世の最後かと思うと、誰一人口をきくものもない。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
焚火のむこうで鬣狗ハイエナわらうようにうずくまっている。とたんに、怪しい幽霊がじぶんをみているような気がした。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
然るに、クラーレ毒矢にて射倒したる一匹を、捕獲したる鬣狗ハイエナの檻際へ置けるに、全身動かず死したりと思いし羚羊の眼が、俄かに瞳孔を動かし恐怖の色を現わしたり——と。
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)