駕舁かごか)” の例文
……したかあするがいいだ、なに構うべえ、みんなはみんな、おめえはおめえよ、……人それぞれ世はさまざま、宰相さいしょうもいれば駕舁かごかきもいるだあ
百足ちがい (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
片方が両親を亡くせば、片方もまた二親を亡くすというくらい、いわゆる水魚の交わりであって、現在では長屋の一戸に共同で住み、共同で駕舁かごかき業を営んでおる。
長屋天一坊 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「——人相の悪いやつらだ、ろくなしゃっ面あしていやあしねえ、どうせ末は馬子か駕舁かごかきだろう」
思い違い物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「それを云うな、すぐそういう品のないことを云うから、駕舁かごかきなどとさげすまれるんだ」
長屋天一坊 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
なにかといえば拳骨で鼻をこするが、その容子ようすは正に軽子かるこ駕舁かごかき人足といった風だ、けれえなる者にもこれが遺憾だったらしく、「おそめ」から帰る途中の暗がりで、こっぴどく叱られた。
若殿女難記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「誰が、ではない、誰でもだ馬子まご駕舁かごかきのたぐいでも知っていることだ」
竹柏記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)