馬車廻ばしやまはし)” の例文
周三は、何と云ふ譯もなく此の音と響とを聞き分けて見やうと思ツて、じつと耳を澄ましてゐると、其の遠い音と響とを消圧けをして、近く、邸内の馬車廻ばしやまはし砂利じやりきしむ馬車のわだちの音がする。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)