頸動脈けいどうみやく)” の例文
傷は右の首筋——頸動脈けいどうみやくから喉笛を深々と切つたもので、大の男も恐らく一とたまりもなかつたことでせう。
獵師などが山狩の時持つて行くやつ、重くて物凄くて、ゐのしゝなどを一と突きする道具、これで頸動脈けいどうみやくをやられては、獰猛極まる銀之助も、一とたまりも無かつたでせう。
その戰鬪的な感じのする女——まだ二十八の、充分に生活力の旺盛わうせいなのが、右の頸動脈けいどうみやくから喉をつらぬかれ、それを刺した脇差は、疊の上に突つ立つて居るのは恐ろしいことでした。
その短刀を首へ三寸あまり——今日の言葉で言へば見事に頸動脈けいどうみやくをやられて居るのです。
娘の頸動脈けいどうみやくを射切つて、水に落ちた矢の矢尻は、まつたく剃刀かみそりのやうな切れ味です。
後ろから喉笛のどぶえを切つた時、下手人げしゆにんの顏を見るつもりで少し顏を反らしたらしく、傷は少し左へれて居りますが、その爲に頸動脈けいどうみやくを切られて、一たまりもなく死んで了つた樣子です。
何處か致命的な病氣を持つて居るらしく、青白い汚點しみだらけの皮膚、細い手足、險しい頬など、見るから痛々しい老人ですが、その首筋左の方から一とゑぐり、頸動脈けいどうみやくを切つて、見事な手際です。