靖献遺言せいけんいげん)” の例文
お向けなさるがよろしい。兵備や政治は一切合財、幕府へおまかせなさるがよろしい。靖献遺言せいけんいげんというような書物も、決してお読みになりませぬように
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
彼の著書『靖献遺言せいけんいげん』の如何に徳川政府顛覆てんぷくあずかりて、力ありしは、その彼よりも偉大なる革命家竹内式部たけのうちしきぶが罪案には、「『靖献遺言』等堂上どうじょう方へ講談致し候」
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
藩黌はんこう明倫堂めいりんどうの学則が改正せられてからは、『靖献遺言せいけんいげん』のような勤王を鼓吹する書物が大いに行なわれ、山地の方に住む領民にまで時事を献白する道も開かれているくらいだ。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
これもそのじぶんのことだが、花田欣弥が靖献遺言せいけんいげんの講義をすることになった。
桑の木物語 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)