雑用ざふよう)” の例文
旧字:雜用
身狭乳母むさのおもの思ひやりから、男たちの多くは、唯さへ小人数な奈良の御館みたちの番に行けと言つて還され、長老おとな一人の外は、唯雑用ざふようをする童と奴隷やつこ位しか残らなかつた。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
夏になり秋になつても、娘はつひに家に帰らなかつた。後には、その父母は娘の雑用ざふようの米やら衣類やらを其処に運んで行かなければならなかつた。母親もやがてはその信者の群の一人になつた。
ある僧の奇蹟 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)