階梯はしごだん)” の例文
「そんなことがあらすか」とお種は階梯はしごだんを下りかけたお雪の方を見て、「ねえ、お雪さん、貴方とは信州以来の御馴染ですものネ」
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
とお種は階梯はしごだんの下に近く鏡台を置いて、その前に坐りながら挨拶あいさつした。お種の後には、白い前垂を掛けた女髪結が立って、しきりと身体を動かしていた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それを三吉は二階から聞くたびに、わびしい心を起した。どうかすると、彼は階梯はしごだんけ降りるようにして、そういう人の手から自分の子供を抱取ることも有った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
丁度小父さんの家がまだ京橋の方にあった時分田舎いなかから出て来たばかりの彼は木登りが恋しくて人の見ない土蔵の階梯はしごだんを逆さに登って行くことを発明したが、そんな風にある虚偽うそを発明した。
桜の実の熟する時 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)