階梯きざはし)” の例文
ふすまや、几帳きちょうの蔭から、小さい燈火ともしびの光が、かばわれながらそこへ運ばれてきた。雨の打つ階梯きざはしの下に、曲者はねじ伏せられている。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天幕をこちらの庭へ移すことはせずに、左へ出た廊を楽舎のようにして、腰掛けを並べて楽は吹奏されていたのである。童女たちは階梯きざはしの下へ行って花を差し上げた。
源氏物語:24 胡蝶 (新字新仮名) / 紫式部(著)
「おお」階梯きざはしのうえに見えた吉光きっこうまえは、介が、十八公麿を下ろすのも待たないで、駈け下りて、わが子を抱きとった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)