鐵線はりがね)” の例文
新字:鉄線
兩岸から鐵線はりがねで吊つたあぶなげな假橋が川を跨げて居る。橋の口に立札がある。文言を讀めば、曰く、五人以上同時に渡る可からず。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
勿論巖岨いはそばり削つて造つた道だから、歩を誤つては大變であるが、鐵の棒を巖へ立てたり、力になるやうに鐵線はりがねわたしてあつたり、親切に出來てゐるから危いことも無い。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
ひて、鐵線はりがねふくろにん
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
店頭みせさきで見つけた眞桑瓜を買うて、天鹽川に往つて見る。可なりの大川、深くもなさゝうだが、川幅一ぱい茶色の水が颯々さあ/\と北へ流れて居る。鐵線はりがねを引張つた渡舟がある。
熊の足跡 (旧字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)