銀灰色ぎんかいしょく)” の例文
江戸のもの音が、去った夏の夕べの蚊柱かばしらのように、かすかに耳にこもるきり、大川の水は、銀灰色ぎんかいしょくに濁って、洋々と岸を洗っています。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
川上の上は一面に銀灰色ぎんかいしょくもやで閉じられて、その中から幅の広い水の流れがややにごってせ下っていた。堤のくずれに板の段をおぎなって、そこから桃畑に下りられるようになっている。
桃のある風景 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)