鉄甲てっこう)” の例文
遠いむかし——武神ぶしん日本武尊やまとたけるのみこと東征とうせいのお帰りに、地鎮じちんとして鉄甲てっこうけておかれたというその神地しんちは、いま、えんばかりな紅葉もみじのまッさかりだ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、巡閲中じゅんえつちゅうの駒をふと止めて、鉄甲てっこう燦然さんぜんと整列している諸将の面々を見つつ、何かいぶかしげな顔をした。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
辻は火の跳舞ちょうぶと、家々の残骸と、煙る鉄甲てっこうの人影しかない。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)