鉄嶺丸てつれいまる)” の例文
小蒸気こじょうきを出て鉄嶺丸てつれいまる舷側げんそくのぼるや否や、商船会社の大河平おおかわひらさんが、どうか総裁とごいっしょのように伺いましたがと云われる。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
大きさは鉄嶺丸てつれいまるとほぼ同じぐらいに思われるが、船足ふなあしがだいぶのろいと見えて、しばらくのにもうこれほどおっつかれたのである。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
鉄嶺丸てつれいまるが大連の港へ這入ったときまず第一に余の眼に、高く赤く真直まっすぐに映じたものはこの工場の煙突であった。船のものはあれが東洋第一の煙突だと云っていた。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)