鉄屑かなくず)” の例文
旧字:鐵屑
古莚ふるむしろに山と積んだ、汚ない細かい鉄屑かなくず塵埃ごみと一緒にで釜の中へはかりこまれると、ギラギラした銀色の重い水に解けてゆくのを、いくら見ていてもきなかった。
越後南蒲原みなみかんばら鹿峠かとうげ村大字まがり谷の字蹈鞴沢は、往古この沢に鍛冶の住せるにより、その山を鉄屑かなくず山といい、沢をタタラサワと呼んだと、四年前に出た『嵐渓史』にある。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
伽羅や沈香は、こちとらの家にある品じゃない——ところで、鋳掛屋いかけやの権次は空地のどの辺に店を張って仕事をしているんだ。だいたい場所がきまっているだろう、炭の断片かけらか、鉄屑かなくずがあるはずだ。