金象眼きんぞうがん)” の例文
そして仏蘭西フランスから輸入されたと思われる精巧な頸飾くびかざりを、美しい金象眼きんぞうがんのしてある青銅の箱から取出して、クララの頸に巻こうとした。
クララの出家 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それから父は、家族連中の環視の中で、先祖重代の刀を取出して、その切羽せっぱとハバキの金を剥ぎ、つばの中の金象眼きんぞうがんを掘出して白紙に包んだままどこかへ出て行った。
父杉山茂丸を語る (新字新仮名) / 夢野久作(著)