醜女ぶおんな)” の例文
どちらかといえば醜女ぶおんなで、与次郎は、こんな仕事をしている者にはもったいないような好い男、町内の娘っ子が大騒ぎをしているばかりでなく
それが、娘で、角力取りのような大女のうえに、すこぶるつきの醜女ぶおんなと来ている。どうしても、婿養子をしなくてはならぬけれども、来手がない。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
一対いっつい内裏雛だいりびなのような……と言い出すものがあると、いやそうでない、ああいう殿様に限って、奥方が醜女ぶおんな嫉妬やきもちが深くて、そのくせ、殿様の方で頭が上らなくて
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
さっそく高之進さまがやって来て、もらってくれという、上役のお嬢さまだが、いい男がなにもすき好んで醜女ぶおんなといっしょになるがところはねえんですからね。友次郎だんなはいやだという。
右門捕物帖:30 闇男 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
まったく、醜女ぶおんなで、白痴で、大女のヤスが、らんらんと眼を光らせて、挑んで来る姿を想像すると、金五郎は、慄然として、頽廃的な気持にならずには居られなかった。黒石家は、黒縄地獄である。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)