遠靄とおもや)” の例文
杉のが細胞のように密生している遙かな谿! なんというそれは巨大な谿だったろう。遠靄とおもやのなかには音もきこえない水も動かない滝が小さく小さく懸っていた。
冬の蠅 (新字新仮名) / 梶井基次郎(著)