逡巡ためらい)” の例文
『類函』に虎能く人気を識る、いまだ百歩に至らざるに伏してゆれば声山谷に震う、須臾しばらくして奮い躍りて人をつ、人勇ある者動かざれば虎止って坐り逡巡ためらい耳をれて去ると。
最初それで、大きい方の鍵前を辷らして、逡巡ためらい勝ちに蓋を持上げると、思わず彼等は、一歩蹣跚き退った。瞬時の恐怖は、この、凡ゆる異常時に慣れ切っている老刑事の神経をすら、強打したのだ。
アリゾナの女虎 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
心得た場所と見えて逡巡ためらいもしない。