迂路まはりみち)” の例文
その癖わざとしたと云つても好いやうな不注意から、余計な迂路まはりみちをしたり、好く知つてゐる町で、ちよいと道に迷つたりして、自分の小部屋に帰つた時は、もうに入つてゐた。
駆落 (新字旧仮名) / ライネル・マリア・リルケ(著)
私はしづかに足を運んだ。別に行き逢ふ人もないのに、殊更迂路まはりみちをして、白い野薔薇のところ/″\咲いてゐる小径こみちつて歩いた。『別に急ぐことはない。急いだつて同じことだ』
愛は、力は土より (新字旧仮名) / 中沢臨川(著)
迂路まはりみちとばかりが続いてゐる。
晶子詩篇全集 (新字旧仮名) / 与謝野晶子(著)