辟易たじろ)” の例文
辟易たじろぐ拍子に、ズドンと一発! 夫人の銃弾が背後うしろの扉にそれて、濛々と白煙が立ち込める。床にころがった拳銃ピストルを、素早くくつで払い退ける。
グリュックスブルグ王室異聞 (新字新仮名) / 橘外男(著)
思ひがけぬところで辟易たじろいでゐると、相手は矢継早に攻撃にかかった。最初から旗色を伺ってゐた、もう一人は、ここで完全に相手に和した。川田は焦々しながら次第に窮地に追ひつめられた。
(新字旧仮名) / 原民喜(著)