較々やゝ)” の例文
加之しかのみならず較々やゝ完全に近かつた雅典アテーネの人間より、遙かに完全にとほざかつた今の我々の方が、却つて/\大なる希望を持ち得るではないか。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
較々やゝ霎時しばしして、自分は徐ろに其一片の公孫樹の葉を、水の上から摘み上げた。そして、一滴ひとつ二滴ふたつしろがねの雫を口の中に滴らした。そして、いと丁寧に塵なき井桁のはしに載せた。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)