軽輩けいはい)” の例文
家老上席から、城代以下、軽輩けいはいさむらいにいたるまで、これだけの人数が、城内の一室に集まるようなことは、よほど、戦時か何かでなければ見られない。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
或は、藩の中で、軽輩けいはいの身では、自分以上の、苦境だったかもわからない。家老の矢沢監物けんもつが後援する直胤一門の圧迫もあったろう事は、想像に難くない。
山浦清麿 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
内匠頭たくみのかみの小姓に上ったのが奉公の初めで、浪士のうちの多数は、軽輩けいはいでも、二代、三代の重恩をうけているが、十郎左などは、君家には、極めて、御恩の浅い方で、復讐に加盟しなくとも、誰も
べんがら炬燵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人のし得ない軍功をきっと土産にして凱旋がいせんするのだった。つい数年前までは、槍組の軽輩けいはいであったのに、今度の戦ではもう先手組の侍頭さむらいがしらとして、五百人の兵をあずかって出陣を命じられている。
篝火の女 (新字新仮名) / 吉川英治(著)