車井くるまい)” の例文
其れに引易え、或信心家は最初片っ方しか無い車井くるまいの釣瓶なぞに随喜したが、此頃ではつい近所に来て泊ってもってもかなくなった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
たちまち車井くるまいの音が高く響いたと思うと、『お安、金盥かなだらいを持って来てくれろ』という声はこの家の主人あるじらしい。
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
いずくにか、車井くるまいおとからからとたまをまろばすように聞こえしが、またやみぬ。
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)