路考ろこう)” の例文
「ねえ、花世さん、路考ろこうの門弟の路之助ろのすけが、また新作のはやりうたを舞台でうたっているが、三絃さみせん妙手があるのか、いつみても妙だぜ」
顎十郎捕物帳:02 稲荷の使 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
その何番目かの娘のおらいというは神楽坂路考ろこうといわれた評判の美人であって、妙齢としごろになって御殿奉公から下がると降るほどの縁談が申込まれた。
「見違えちまッた——今日は馬鹿に綺麗にお化粧して、それに、素晴らしいおめかしじゃありませんか。それじゃまるで、瀬川路考ろこう大家のお嬢様のようですよ。そこで、どちらへ?」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……ひッ、けだものどもめ、なんともきもがつぶれたか。……これ六平や、そなたは路考ろこうに生写し、いたらしいの総浚い。陸尺などにはもったいない。