をひらいて、躑躅つつじさきたちから、香煙を払った日である。衣刀えとうあらためて、勝頼が表の座にあらわれるとすぐ、待ちかねていたように、跡部大炊介あとべおおいのすけが目通りに拝伏して
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一 陣太鼓 跡部大炊介あとべおおいのすけ
上杉謙信 (新字新仮名) / 吉川英治(著)