足高盥あしだかだらい)” の例文
同じ曳出ひきだしの中に在った鋭いらしい匕首あいくちも中身をあらためてから懐中ふところへ呑んだ。やはり押入の向側から鉋飴売りの足高盥あしだかだらいを取出しかけたが又、押入の中へ投込んだ。
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
あらん限りの苦労をした揚句あげく鉋飴かんなあめ売りの商売を覚えて、足高盥あしだかだらいかつぎ荷ぎ故郷へ帰って来たが、帰って来てみると故郷は皆死絶えたり零落してしまったりしてアトカタもない。
骸骨の黒穂 (新字新仮名) / 夢野久作(著)