赧黒あかぐろ)” の例文
それは洋服の男がじぶんの方へ向って云ったことばであった。謙作は箸を控えて顔をあげた。洋服の男は赧黒あかぐろい細長い顔をこっちへ向けていた。
港の妖婦 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
腕は動かず、脂汗のにじむ赧黒あかぐろい頬骨をじりじりかたむけ、ぎらつく双眼から涙が二筋、繃帯のしたにながれこむ。
原爆詩集 (新字新仮名) / 峠三吉(著)