貴公あんた)” の例文
その志はかたじけないが、日本の前途はまだ暗澹たるものがある。万一吾々が失敗したならば貴公あんた達が、吾々の後跟あとを継いでこの皇国廓清かくせいの任に当らねばならぬ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
貴公あんた富岡先生が東京へ行った事を知っているか」と校長細川は坐に着くや着かぬに問いかけた。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
侍「貴公あんた先にやったら宜かろう」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
また万一吾々が成功して天下を執る段になっても、吾々が今の薩長土肥のような醜い政権利権の奴隷になるかならぬかという事は、ほかならぬ貴公あんた達に監視してもらわねばならぬ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)