講中こうちゅう)” の例文
世話役の者共も恐れ入って、委細承知のお請けをしましたが、元来この造り物は、江戸の講中こうちゅうからの奉納ではなく、京都の講中の供え物でした。
半七捕物帳:65 夜叉神堂 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
言っているとき、またひとりそわそわしながらおりて来た五十がらみの、同じように講中こうちゅう姿した男がありました。しかもそれがやはり言うのです。
笹村の前には、葱青あさぎ朽葉くちば、紺、白、いろいろの講中こうちゅうの旗のるされた休み茶屋、綺麗に掃除をした山がかりの庭の見えすく門のある料理屋などが幾軒となくあった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
江の島の宿屋へ行き着いて、ここで午飯ひるめしをすませて弁天のやしろに参詣した。今度の開帳は下の宮である。各地の講中こうちゅうや土地の参詣人で狭い島のなかは押合うほどに混雑していた。
恨みの蠑螺 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
講中こうちゅうと一緒に身延みのぶへ御参詣にまいりました」
半七捕物帳:64 廻り灯籠 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)