詭弁家きべんか)” の例文
さすが、その時ばかりは、日頃から彼の立身をそねんで、詭弁家きべんかであるとか、成上がり者とか、陰口ばかりいっていた同僚の将も
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
しかし、僕に死を禁ずるその同じ詭弁家きべんかが時には僕を死の前にさらしたり、死に赴かせたりするのだ。
織田君の死 (新字新仮名) / 太宰治(著)
又われ等は形而上的けいじじょうてき詭弁家きべんかひそみならって、あまりにも深入りしたる推理穿鑿せんさくふけろうともしない。何となれば、そは却って神の根本観念を失わしむるものであることを知るからである。
ハムレットさま、あなたは少し詭弁家きべんかよ。ごめんなさい。だって、あなたのおっしゃる事は、みんな、なんだかお芝居みたいなんですもの。甘ったるいわ。ごめんなさい。
新ハムレット (新字新仮名) / 太宰治(著)