袈裟治けさぢ)” の例文
以前まへから僕は寺の生活といふものに興味を持つて居た。』と丑松は言出した。丁度下女の袈裟治けさぢ(北信に多くある女の名)が湯沸ゆわかしを持つて入つて来た。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
其と見た奥様は飛んで出て、吾子が旅からでも帰つて来たかのやうに喜んだ。人々も出て迎へた。下女の袈裟治けさぢ塵払はたきを取出して、背中に附いた雪を払つて呉れる。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)