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蝱
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あぶ
ふりがな文庫
“
蝱
(
あぶ
)” の例文
重たき
琵琶
(
びわ
)
の
抱
(
だ
)
き心地と云う永い昼が、永きに
堪
(
た
)
えず崩れんとするを、鳴く
蝱
(
あぶ
)
にうっとりと夢を支えて、清を呼べば、清は裏へでも行ったらしい。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
長いこと転々としてその昂ぶった神経を持てあましながら、ラッセルのように
懶
(
ものう
)
い
蝱
(
あぶ
)
の羽音を、目をつぶって聞いている中に、看護婦が廻って来た。
蝱の囁き:――肺病の唄――
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
飛んでいる
蝱
(
あぶ
)
はどうしてお互いに見つけ出すことが出来るのか、それは生物間の通信というものに、「声」と「文字」以上のものがあることを思わせます
宇宙爆撃
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
ごくまれに、むくむくと太った
蝱
(
あぶ
)
が、鈍い羽音を響かせながら、もう結実しかけた藤の下を、迷い飛ぶ位のものであった。南風が潮の香をのせてやって来た、それは青々とした海原の風であった。
蝱の囁き:――肺病の唄――
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
蝱
漢検準1級
部首:⾍
15画
“蝱”を含む語句
木蝱
蚊蝱
蝱共
蝱蜂
驥蝱