虚偽きよぎ)” の例文
そのあまりに、狡黠ずるくつて、不真面目ふまじめで、大抵は虚偽きよぎを含んでゐるのを知つてゐるから、遂に熱誠な勢力を以てそれを遂行する気になれなかつたのである。
それから (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
○○の念は恋愛と同様、虚偽きよぎの上に立つ事の出来るものではない。虚偽とは過去の真理であり、今は通用せぬ藩札はんさつたぐひである。官憲は虚偽をひながら、○○の念を失ふなと云ふ。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)