藤様とうさま)” の例文
お梶 あれ、藤様とうさまでござりましたか。いかい粗相をいたしました。御免下さりませ。(すぐ去ろうとする。ふと、気が付いたるごとく)
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
お梶 藤様とうさまとしたことが、また真面目な顔をしてなんぞ、てんごうでもいうのじゃろう。(いざり寄りながら)こう進んだが、なんの用ぞいのう。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
お梶 (男の去らんとするに、気が付いて)藤様とうさま! 藤様!(と低く呼びながら、追いすがろうとする)
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)