わが日本開闢かいびやく以來、はじめて舞樂のおもてを刻まれたは、勿體なくも聖徳太子、つゞいて藤原淡海ふぢはらのたんかい公、弘法大師こうぼふだいし倉部くらべ春日かすが、この人々より傳へて今に至る、由緒正しき職人とは知られぬか。
修禅寺物語 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)