薦筵こもむしろ)” の例文
荒板の床の上に、薦筵こもむしろ二枚重ねた姫の座席、其に向つてずつと離れた壁に、板敷に直に坐つて居る老婆が居た。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
その光りで照し出されたのは、あさましくすさんだ座敷だけでなかった。荒板の牀の上に、薦筵こもむしろ二枚重ねた姫の座席。其に向って、ずっと離れた壁ぎわに、板敷にじかに坐って居る老婆の姿があった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)