ずい)” の例文
七匹の青蜘蛛ぐもが張りわたしている絃を掻き鳴らし始めると、二人のお爺さんは、睡蓮の花を静かに左や右に揺り、いっぱいに咲きこぼれている花々のずいからは
地は饒なり (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
または永き日を、かつ永くするあぶのつとめを果したる後、ずいる甘き露を吸いそこねて、落椿おちつばきの下に、伏せられながら、世をかんばしく眠っているかも知れぬ。とにかく静かなものだ。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)