蓊欝をううつ)” の例文
わが筆も亦た何物ぞ。言ふなかれ、蓊欝をううつたる森林、幾百年に亘りて巨鷲を宿らすと。言ふ勿れ、豊公の武威、幾百世を蓋ふと。あゝ何物かつひに尽きざらむ。何物か終に滅せざらむ。
富嶽の詩神を思ふ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
偉大なる思想は一投手、一挙足の間に発生すべきにあらず、いづくんぞ知らん、一国民の耐久的修養の力なるものをつにあらざれば、蓊欝をううつたる大樹の如き思想は到底期すべからざるを。
国民と思想 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)