落着おさまり)” の例文
忌々いまいましいとは思うけれど、ばばあの云うことはたしか真実ほんとうである。市郎も少しくひるんだが、ここで弱味を見せては落着おさまりが付かない。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
馬鹿げた欲求だということは分っているが、そうにでもしなければ、何かしら心に落着おさまりがつきにくいのだ。
或る男の手記 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
私は自ら茫然としているうちに、ふと思いついて、この気持に落着おさまりをつけるために、事件の一切を書き誌してみようと決心した。そして殆んど寝食を忘れて書き続けてきた。
或る男の手記 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)