華魁衆おいらんしゅう)” の例文
「最初は使い屋でございました。吉原なかから華魁衆おいらんしゅうの手紙を束にして持って来る使い屋の男が、小僧を呼出して、旦那へそっと渡すようにと言って置いて行ったそうで——」
中形の浴衣に糸巻崩いとまきくず昼夜帯ちゅうやおび引掛ひっかけという様子なり物言いなり仲町なかちょうはおりと思う人はあるかも知れぬが、ついぞこの間までちょうにいなすった華魁衆おいらんしゅうとはどうしてどうして気がつくものか。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)