茶呑ちゃのみ)” の例文
薬の客に出す為に特に焼かせたという昔の茶呑ちゃのみ茶椀から、達雄が食った古雅な模様のある大きな茶椀まで、大切に保存してあった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
となりにならんでいる女の子と、副食物おかず分配わけっこの相談までしてあったのに——机の上には、新らしい小さな箸箱はしばこ茶呑ちゃのみ茶碗が出ている——
例えば一本の注射器さえあれば、自分の腕の静脈からだって、茶呑ちゃのみ茶碗に一杯位の血は取れる。それをうまく塗り拡げたら、あの浴衣の血痕なぞ造作なくこしらえられるよ。
(新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)