苦面くめん)” の例文
アンチャンは洋服代の苦面くめんがつかず、いまだに目的を達してゐない。手下のパンパンが十七人、十八九から二十二三まで、たいがい女学校卒業の家出娘で、住所もなければ配給もない。
金銭無情 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
ヤリクリ苦面くめんしてアルコール類、食料、調味料をとゝのへて、釘づけの店の扉をあける。更生開店、しかしお衣ちやんを店へさらすわけにいかないから全然一室に鎮座してもらつて、自らコック。
金銭無情 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)