苦味くみ)” の例文
道理で、すこし茫然とお見うけ申されます。それがしのように、お考えなされませ。どこに、敗北の苦味くみめないで、大事を
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
苦味くみ丁幾ちんきを服し、ペプシンを服し、粥を煑て吸ひ、フランス麪麭をあがたひてくらひ、壓し麥を喫ふのを見ることは多いが、咀嚼時間を長くして
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
世間に背中を向けた人の苦味くみを帯びていなかっただけに、私にはそれほどの手応てごたえもなかった。私は先生を老い込んだとも思わない代りに、偉いとも感心せずに帰った。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)