若公卿わかくげ)” の例文
これも増上慢をほしいままにしてくれば、かつての北条の悪時代に見るがごとき、朝廷無視の暴状となり、その果てには、元弘げんこう初期のように、寄り寄り、若公卿わかくげばらの悲憤やら密会となって
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一兵一の蓄えもなく、居候をしている素寒貧すかんぴん若公卿わかくげには、どんな過激な議論も吐けようけれど、重喜には、譜代ふだいの臣、阿波二十五万石の足枷あしかせがある。そう、滅多に動けたものではない。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かれは山目付やまめつけ巡察の役目できていたのだが、そろそろ春めいてきたところから、食客の若公卿わかくげ、家中のもてあまし者、竹屋三位卿が、なんでも同行するというので、はるばる、徳島の城下から
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「や、あの若公卿わかくげが見えたと?」
鳴門秘帖:04 船路の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)