花客先とくいさき)” の例文
されど物語はなしたねはさまで多からず、牛の事、牛乳ちちの事、花客先とくいさきのうわさなどに過ぎざりき。
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
諸国の女の世界ばかりを花客先とくいさきに廻っているので、よくもうけもするが
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夕方になるのに、お花客先とくいさきの注文を、みんな独りのみ込みしていて。——うちのおやじさんにまた呶鳴どなられなければならない。お次、おまえは遊んでいて、あとでまた、お夕飯の支度でもしておあげ。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
清吉の花客先とくいさきは、上方でも江戸でもたいがい花柳界だった。
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「相済みません。……どうもつい、お花客先とくいさきのお宅じゃあ」
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)