芭蕉庵ばしようあん)” の例文
若い木の芽や材木のにおひをいでゐるのに、或る人は閑静の古雅を愛して、物寂ものさびた古池に魚の死体が浮いてるやうな、芭蕉庵ばしようあんこけむした庭にたたずみ、いつもその侘しい日影を見つめて居る。
田舎の時計他十二篇 (新字旧仮名) / 萩原朔太郎(著)