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艴
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むく
ふりがな文庫
“
艴
(
むく
)” の例文
『猫』の作者は、胃の悪い黒猫のやうに、座蒲団の上に円く
胡坐
(
あぐら
)
を掻いて唯にやにや笑つてばかしで、別に
艴
(
むく
)
れてゐる
容子
(
ようす
)
もなかつた。芸妓達は
各自
(
めい/\
)
色々な事を訊いたり、
喋舌
(
しやべ
)
つたりした。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
さつきから肚の中で少し
艴
(
むく
)
れてゐた、この年つ喰ひの惡戲者は、三度目の明りは磨るが早いか、すつかり燃え切らないうちに、さつさと放り捨ててしまつたので、燃殼の床にけし飛んだのを
西大寺の伎芸天女
(旧字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
その日も思つた程
顔触
(
かほぶれ
)
が集まらないので、お婆さんは
徐々
(
そろ/\
)
艴
(
むく
)
れ出した。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
艴
部首:⾊
11画