致居いたしおり)” の例文
初三句は極めてつたなき句なれどもその一直線に言い下して拙きところかえってその真率しんそついつわりなきを示して祈晴きせいの歌などには最も適当致居いたしおり候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
実は数日来極度の多忙にてろくろく夜の目も寝ず仕事に没頭致居いたしおり連日の睡眠不足より遂にあの不始末に及びたる次第に候貴君の御話もかすかには記憶致し居候得共えども何時御立帰りになりたることやらまるで前後忘却貴君の前を
恐ろしき錯誤 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
歌よみどもはいたく調ということを誤解致居いたしおり候。調にはなだらかなる調も有之、迫りたる調も有之候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)